<Plog/パワスポの話>出雲の旅手帖04~植田正治写真美術館~
植田正治写真美術館
ファッション業界の方なら、誰しもが見たことがあるだろう80年代前半の「TAKEO KIKUCHI」のコレクションカタログ写真(砂丘モード)を撮影し、生涯アマチュア写真家を名乗った植田正治氏の作品が見られる貴重な写真美術館。建築物としても非常に美しく鳥取の「大山」を一望でき、周囲に何もない場所に建築された非常にコンセプチュアルな場所。
植田氏の写真の美しさはその“構図”にあると俺は思う。計算されているようでされていない“偶発的な計算”も加味された何とも詩的な世界観、「こういうものにしたい!」というイメージを具現化し、配置、表情、色彩等、その全てが重なる一瞬を切り取ったような“生きた写真”は、何度見ても俺の心を真っ白にしてくれる。その一枚の裏にあるストーリーを想像する時、時として涙し、時として口角が上がり、見たことがあるようで見たことのない世界への憧れで心が膨らむ。
モノクロームの写真はしかりだが、カラーの写真にも植田氏ならではの世界観が広がっている。
物語の一瞬を、写真を媒体にして切り抜く、、、簡単に表現するとそのような感じだろうか。今のようなデジタルカメラのような手軽さはなく、1枚1枚に対して大切にシャッターを切り、己の手で陰影を表現するために自分の直感の元に現像していく。その行程にも植田氏の思いが込められ、何とも言えぬ物語が紡がれていくのだ。
だいぶ、心に栄養をもらいました。
ーVol5へ続くー
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