cky355のブログ

日々、感じること・思うことを徒然に・・・。

<ファッションの話>古き良き時代

Karl Helmut鶏柄シャツ

 最近、生地屋に伺ったこともあり、昔の良い生地の洋服が着たい!と思い、クローゼットをガサガサ。
 そして今日は、もう30年以上も前の金子 功氏がデザインしていた頃の“Karl Helmut(ケールヘルム)”のレーヨンシャツを着てみました。
一斉を風靡したPINK HOUSE(ピンクハウス)のメンズブランドで、ワッペンやプリントで有名なブランドだった。PINK HOUSEは、今ではコスプレの源流と言われることもあるらしいが、全て同ブランドで揃えるには“ん十万”必要になるブランドだった。メンズブランドであるKarl Helmutは、PINK HOUSEをライトにし、重ね着等はなく、ワッペンやプリントだけで一発でKarl Helmutと解るブランドだった。特に俺は、プリント柄が好きで数点を今でも持っている。というか捨てられない。


 80年代~90年代はバブル期~バブル崩壊で、ファッション業界はバブル崩壊が少し遅れてやってきた感覚だった。なので、90年代の中旬くらいまではまだまだ新しいブランドが雨後のタケノコのように生まれていった。70年代~80年代は多くの日本人ブランドが世界の市場に出て行った時代で、その多くが日本製生地をし、日本のアイデンティティを活かしたブランドがほとんどだったが、バブル期に入るとどんな価格を付けても売れる!という、ファッション業界で言われる“DCブランドブーム”あたりにデビューしたブランドには高価な輸入生地を使用し、まさに“バブル”という感じだった。そんな中で、金子 功氏のPINK HOUSE、INGEBORG(インゲボルグ)、Karl Helmutは、基本的に日本製素材を使用し、特にプリントは非常に繊細な柄が日本の職人による線の細い柄であっても見事のクオリティだった。まるで絵画を見る感覚で、俺はKarl Helmutのプリント柄のレーヨンシャツを好んで着てした。使用されているレーヨンも非常に肉厚で、何とも言えないトロミがある質感が暑い夏には、ひんやりとして質感を与えてくれた。


 今日、着用した“鶏柄”のレーヨンシャツは、数点所有する中の1点で、ちょっと間違えるとそっち系の人に見えてしまうかもしれないが、線の細さ、色合いが何とも言えない逸品。
江戸時代の画家“伊藤若冲”の代表作とも言える“南天雄鶏図”に出てくるような見事な鶏が全面にプリントされ、グランドが黒ということもあり、かなりのインパクトのあるシャツである。西洋のモノを題材にしたプリントも多く発表しているが、俺は金子氏が手がけるプリントでも、“和柄”がなんとも言えず、好きで所有しているプリントシャツは全て“和柄”なのだ。
 今の時代に、日本製のこの素材でこのクオリティのプリント柄を全面に施したシャツは、とてもつもない金額のシャツになるかと思います。逆にこのようなモノを普通に作れた良い時代だったのだとも思う。
 今一度、“Made in JAPAN”の良さを実感した2023の初秋でした。