cky355のブログ

日々、感じること・思うことを徒然に・・・。

デザイナーコレクション

デザイナーコレクション

 先週は、東京でのファッションウィークだったので、コレクションショーを拝見した。
もう30年以上、ファッションショーを見てきたが、今回は今までとは違う感覚で見ていたかもしれない。


 TOKYO GIRLS COLLECTIONやTOKYO GIRLS AWARD等の一般消費者を対象にしたショーではなく、プレスやバイヤー、スタイリスト等業界関係者が招待客であるファッションショーは本来、ビジネスの一環で行われるもの。ファッションショーを開催した後に、展示会を開催し、小売り(ECコマースを含む)バイヤーがサイズ感や、表情感、素材感など、ショーでは見れない、実際に触って着てみて買い付けを決定していくものだ。プレスを招待するのは、そのシーズンにデザイナーが訴えたいメッセージを取材してもらい、紙面になることで消費者やバイヤーに認知してもらう。
 ただ、この10年くらいは、“これって、わざわざファッションショーを行う意味があるのだろうか?”と思えるブランドがショーを開催しているように思えていた。ショーではなく、プレゼンテーションや他の表現方法で作品を見せた方が、その服の意味が伝えられるのに、、、という観点でのことである。ショーのような形式を取ることで逆にその服の良さが全く出ない洋服というものがある。俺はそう思っている。しかし、必死になって(開催するのに非常に多額な予算が必要になるため)ショーを開催しているブランドを見ると、何か、切ない気持ちになっていた。また、招待客もプレスやバイヤーと同等またはそれ以上に“インフルエンサー”と呼ばれる人々がショーの会場で幅を効かせていく。それはもちろん、悪いことではないのだが、ちなみにそんなインフルエンサーのフォロワー数を一覧で見たことのある俺からすると「え?こんな少ない数でもいいんだぁ~。」、「インフルエンサーって、自称で言ったもん勝ちじゃん。」と思える人もいる。もちろん、本物?の“インフルエンサー”もいるが、中途半端な人は、「今着てるの、服なの?」という人もいる。もちろん、ハイブランドの中にはびっくりするようなデザインの服もあるが、そういうことではなく、「仮装なの?」のレベルというのか、縫製もボロボロ、生地もヘロヘロ、、、どう見ても宴会用にバラエティショップや土産物屋で買ってきたような非常に簡易的な服?を着て、目立てば良い!みたいな勘違いが多いと感じるからだ。そういう人は、ショーを逆に邪魔することになる。コレクションカメラマンからも、最前列には座らせないでくれ!映り込む!と聞く。また、そういう人に限って、2~3年でショーの会場からいなくなるのも見てきた。w


 だらだらと書いてしまったが今回、俺が見たデザイナーコレクションにはそのような来場者もいないし、ショー映えする洋服でもある。昔から俺の知る“Theコレクションショー”というようなショーであった。しかし、作品も素晴らしいし、ショーの演出も服を見ることに特化してて完璧だった。ただ、ショーの最中に突然、俯瞰の視点になってしまい、“ショーをやる本来の意味ってなんだろう・・・。”と考えてしまったのだ。
俗にフロントローと言われる最前列には、昔と変わらぬ人々が一生懸命にスマホで写メを撮っていた。この光景はこの10年で変わった光景とも言える。プレスでもバイヤーでもない人が必死になって撮影し、どうするんだろう?どうして肉眼で服を見ないんだろう?と思え、滑稽に見えた。おそらく自分のSNSにアップするためになのだと思うが、そんなのは自分の気に入ったルックだけを撮影すれば良い!と俺は思う。ある意味でそれは、自分のメモという意味にもなる。ず~っとスマホ画面越しにショーを見て、リアルに感じるのだろうか・・・。とも。デザイナーが半期に一度、全てをかけて開催するファッションショーを見る側も、その思いをキャッチするために必死に自分の肉眼で服に込められたデザイナーのメッセージを読み解くべきなのだと思う。


 そういう意味では、ファッションショーのあり方みたいなものもきっと、変化しているんだろうなぁ~と思った次第でした。