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<ファッションの話>ウールに潜在するサステナブルの可能性<低負荷&動物愛護編>

ウールのサステナブル03

今回は、ウールサステイナブルに於ける低負荷&動物愛護を紹介します。


【低負荷】
通常では資材等に使用されることが多い有色羊毛を原料とし、衣料用に選りすぐりの有色原料を紡績~撚糸~製織することで、染色の際に使用される大量の水、機械を動かすための光熱費、着色染料、定色着させるための薬剤などを軽減することで低負荷の素材が製造されている。古代のウールの使用方法に戻った活用法だと言える。
<注目キーワード>
・原色ウール



【動物愛護】
オーガニックの分類に入れる方もいるようですが、ここでは別カテゴリーで分類させていただきます。広義では、羊が快適で健康に牧場で生育できる環境を整えるが求められている。その中で注目されているのが「ミュールジング」という羊への処置方である。この「ミュールジング」とは、1930年代からオーストラリアでメリノウール種に対して行われ、考案者であるジョン・ミュールズ (John W. H. Mules)の名前から取られた羊の病気に対する予防処置のことを指します。羊毛用に品種改良されたメリノ種は、多くの羊毛を採取するために皮膚面積が広く、全身の皮膚に深い皺があり、そのために、臀部・陰部の皺に糞尿がたまりやすく、蛆虫(クロバエ科のヒツジキンバエなどの幼虫)が繁殖しやすいという特徴がある。この蛆虫に寄生されると皮膚や肉を食い破られ、死に至ることもある。この寄生を防ぐために子羊の臀部(陰部)の皮膚と肉を切り取る処置のことを「ミュールジング」と言われている。ミュールシングは無麻酔でおこなわれ、また傷跡の治療なども行われないことから、動物愛護の観点から批判が上がっている。(ニュージーランドでは2007年までに廃止された。)この処置自体は羊を害虫から守る行為ではあるので、別の処置法や、現行のやり方の刷新することが必要だと思われる。サステイナブルな観点からは、この「ミュールジング」処置を行っていないウールとして“ノンミュールジング・ウール”を掲げている牧羊業者も出てくるようになった。


<注目キーワード>
・ミュールジング
・ノンミュールジング・ウール


ウールの毛刈り

ウールの毛刈り


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《各編での全ての参考文献》
・Wikipedia HP
・環境省 HP
・コトバンク HP
・化粧品原料事典 HP
・ザ・ウールマーク・カンパニー HP
・鈴憲毛織(株)HP
・繊維学会誌 第75巻 第10号
・(株)トーア紡コーポレーション HP
・ヤンマーホールディングス(株) HP

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画像提供元:Pexels