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<ファッションの話>ウールに潜在するサステナブルの可能性<リサイクル編>

ウールのサステナブル01

世間では、だいぶ秋めいてウールの衣料品が欲しくなる季節が到来してきました。
そこで、今日からはシリーズものでちょっと仕事でまとめた“ウールに潜在するサステナブルの可能性”について掲載してまいります。サステナブルというか“ウールの機能性”についての検証を意識しているものでありますので、ご了承ください。


世界4大文明(メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・中国文明)が発祥した頃から、衣料品には様々な原料が使用されてきたが、21世紀の現在でも広範囲に衣料品として使用されているのが、麻(亜麻)綿、絹、毛の4種だと言われている。(この4種の中でも最古の繊維と言われているのが、「麻」であり、麻は衣料品だけでなく絵や文字を記するための紙としても使用されていた。)
この4つの原料の中で、「毛(ウール)」を深堀すると、その歴史は古く、羊が畜(飼う事)化されたのは現在のイラク北部で、およそ1万1000年前の事といわれている。中央アジアからメソポタミアにかけて伝来し、日本において衣料品用途として多く見受けられるようになったのは、比較的新しく明治時代(1867~1912年)に入り、西洋式の軍隊様式を取り入れ、兵隊に洋式の軍服を着せてからの事と言われている。
このような歴史を振り返ると、1万年以上も前からウールは人と共に歩み、社会・経済状況や人々の生活様式に合わせて、変化をし続けきた素材である。天然素材がある故の歴史であり、天然繊維だからこそ、今のような環境破壊、地球温暖化等と言われるようになる前であることはもちろんのこと、世の中が近代化に向かったイギリスの産業革命前から衣料品用途で存在したウールには、その繊維の持つ特徴からも多くのサステイナブルに対応すべく要員が含まれている。今回は、そんな“ウールに潜在するサステイナブルの可能性”について、数回に渡って書き出してみようと思う。


【リサイクル】
元来、羊毛は毎年、競りにより羊毛の価格が決定する変動価格制の原料になります。昔から高級素材として扱われてきた“ウール”はもちろんリサイクルされるべき素材になります。製品になった状態でも嘗ては「かけはぎ」のように傷や穴を補修して着用してきた素材になります。製品をほぐして原糸である羊毛を100%取り出し、織直すリサイクルもあれば、羊毛を70%、その他原料30%で織り直す、俗にいう「毛七(ケシチ)」と言われる素材も昔から存在するリサイクルウールになります。昨今では「毛二(ケーニー)」や「毛六(ケロク)」等、混率を変えた素材も注目を集めています。
一方で、糸をさらにほぐし綿の状態にし直したり、製織の際に裁断クズとして発生する通称「落ち綿」を紡績し直したりする“反毛(ハンモウ)”と言われる原料を製造するリサイクルも行なわれています。


<注目キーワード>
・リサイクルウール
・毛七(ケシチ)
・リサイクルウール紡績糸
・落ち綿
・反毛(ハンモウ)


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《各編での全ての参考文献》
・Wikipedia HP
・環境省 HP
・コトバンク HP
・化粧品原料事典 HP
・ザ・ウールマーク・カンパニー HP
・鈴憲毛織(株)HP
・繊維学会誌 第75巻 第10号
・(株)トーア紡コーポレーション HP
・ヤンマーホールディングス(株) HP

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画像提供元:Pexels