<記憶の断片>君の住む街
嘗て君が住んでいる街
栄えた街を通り抜け
裏路地に入った一角に
30年振りのアパートを見た
街の商店は変わり果て
平屋がマンションに変わり果てても
君のアパートは 嘗てのままの姿
螺旋階段を登った2階の角部屋
数ヶ月しか通わなかったけど
今でもはっきりと覚えている
失うものはなく
得るものしかなかった若き日々
君との日常はいつも
キラキラと光っていた
次の約束をしないと
消えてしまいそうな時代
螺旋階段に響く靴音が
悲しさを助長させていた
今は異国に住んでいるのだろうか
別れの言葉は異国での結婚だったね
突然の話に目を丸くした僕
それでも君の幸せを願った日
僕は今 君の幻影を見るために
君の住んでいた街にいる
もう帰らない日々の幻影を追いかけて
画像提供元:Pexels
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