cky355のブログ

日々、感じること・思うことを徒然に・・・。

<世間話>きんぎょ

きんぎょ01

子供の頃から好きなものの一つに「金魚」がある。
多分、人生で初めて金魚を見た時に全身に電気が走ったのだろう。。。
幼稚園児くらいからの俺の映る写真には金魚が一緒に映っている。


母の話によると愚図る俺を静かにするのには“金魚屋”がテキメンだったらしい。
昔、東京のどこも街にも金魚を扱うペットショップがあった。なので、出先で俺が泣いたり、すねたりすると母は“金魚屋”を探して、俺をなだめたということだった。


小学生になった俺は自分の住む街のみに飽き足らず、沿線のほとんどの駅で“金魚屋”を探した。“金魚屋”だけでは足らず、金魚専門の釣り堀にも結構、通った。


高校生くらいから、自宅で金魚を飼うことをやめ、街へ出た時に百貨店等のペットショップで金魚を眺めている。これは今もそうだ。
しかし、一時期、母の在宅介護をしていた期間は、自宅で金魚を飼っていた。少しでも母の癒やしになってくれればと思っていたが、金魚を見て、子供の頃の俺を思い出していた。


「あなたは、本当に金魚が好きねぇ~。」とよく言われた。


本当は犬好きな母であったが、住んでいるマンションがペットNGで、金魚くらいはOKと言われたので、金魚を飼ったが、何もないよりも認知症初期の母には、良き効果はあったようだった。母が施設に入る頃に仕事も忙しくなり、国内外の出張も増えていったので、最後の一匹が他界してから、金魚を飼うことをやめた。


そんな思いのある金魚。


そんな中で、今もなお、自分の宝物として保管しているモノがある。
それが今回、画像をアップした書籍の「きんぎょ」。


2003年初版の厚さ約3.5cmもある辞書のような書籍。
当時、勤務していた事務所の近所の本屋でたまたま見つけた時に、初めて金魚を見た時と同じように電気が走った。金魚の飼育本等は何冊か子供の頃に購入したが、飼育本ではなく、写真集でもない。美しい魚体、美しい構図、金魚以外の関連被写体のセレクト、本格的な金魚に関する解説等、どれをとっても今までの金魚関連の書籍とは全く違う書籍だった。
初版本とは知らずに、この書籍を迷わず購入した。

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<書籍詳細>
タイトル:きんぎょ
発行日:2003年2月17日 初版第1刷発行
発行所:ピエ・ブックス
発行者:三芳 伸吾
写真:久留 幸子
アートディレクション:高岡 一弥
デザイン:伊藤 修一/淡海 季史子
編集:高岡 一弥
制作進行:高橋 かおる
翻訳:パメラ・ミキ
製版:稲川 芳雄
金額:3,800円(税別)
※現在では、2011年7月8日に「きんぎょ Kingyo 新装版」が発刊され、価格も1,600円(税別)となり、リニューアルされております。


仕事やプライベートで嫌なことがあると、この本を眺めて気分を落ち着かせている。
金魚に関する深掘りは、また別の機会に書きたいと思いますが、“金魚”は半人工的につくり出され、今もなお、改良が続いている生き物。嘗ての通説では鮒の突然変異で生まれた金魚を人が改良を重ねて観賞魚になっていった。自然界では存在しない生き物。
この“人が創り出した生き物”という部分に、子供心が揺さぶられ、謎多き生き物に心を惹かれていったのは確かである。人の探究心と欲望の数だけ、金魚の種類は増えていくのだろうか?と思った記憶がある。今も変わらないが“見たことがないものがみたい!”という俺の好奇心は、この金魚との出会いから始まったのかもしれない。


そう思うと、幼少期に感じたことがその後の人生に大きく作用することを実感している。