cky355のブログ

日々、感じること・思うことを徒然に・・・。

<世間話>生地屋訪問

町中生地屋

(まず、かなり長文になってしまいました!)


 先週、住宅街で一般消費者向けの“生地屋”を営む元ファッションデザイナーの友人に相談があってお店を訪問した。オープンの時、そして4年前に計2回訪問したことがあるが、今回は足の踏み場もない程に生地が店内にある状況に圧倒された。


 暫く、打ち合わせをしていると・・・。


店にマダム2名がやってきた。店主の様子を見ていると常連客らしい。


そして、俺に「あ!新しいスタッフの方?」
と聞かれたので、スタッフではなくて打ち合わせに来た友人です!と答えた。


暫く、店内の生地を物色して購入品候補を決めたおそらくお姉さんが店主に生地の説明を聞いていた。そんな中でたまに店主が俺に生地の話を振ってくるので、軽く答えていたが、そんな中で、このお姉さんは沖縄在住でその日に東京に来たらしかった。最初にこの店を見つけたのは妹さんの方で、店の近くに住んでいるようだった。ゴリゴリ質問してくるお姉さんは、とにかく生地が好きで、自宅に“生地の部屋”があるらしく、自分で縫って着用しているとも言っていた。彼女の選ぶ生地は一般消費者の目線ではなく、今が旬だろうという生地やかなり珍しく生地単価も高いものをセレクトしていた。ベースとしてフランスやイギリスの生地が好きだとは言っていたが、店内でピックしてくる生地も欧州の雰囲気のあるモノや日本独自の技術で織り上げられた生地達だった。最近、縫製を覚えた妹さんも1点選んでいたようだった。


そんなマダム達と会話をしている中。制服を着た男子高生が2名、店内に入ってきた。
“へぇ~、こんな子達も来るんだぁ~”とびっくりした。


男子高生1名はささっとして、外のひさしの下で待っていたが、もう一方の男子高生が来て。「あの~、すみません~!」と言ってきた。店主はマダムと話をしていたので、俺がその子のところで入った。(笑)はおもむろにスマホの写メを俺に見せて「こんな感じのものを作りたいんですが、困っていて・・・。」と何とも純粋な子だった。
俺は、「学祭?」と聞くと、「そうなんです!クラスでグループに分かれて、推しキャラの衣装を作るんです!僕たちは、“幽遊白書”なんです!」と嬉しそうに話してくれた。
そして、店内にあるそれっぽい生地を俺が選んでいったが、その時、、、「あ!予算があって。。。」という話だったので、店主に俺がピックした素材の価格を聞いた。“ん~、これでは予算を超えてしまう。。。”


彼らは、どうやら近所のドン・キホーテあたりで揃うものだと思っていたようで、ドンキに行ってみたがイマイチで、スマホで“近所に生地屋”で検索してこの店に来たとのことだった。
そこで俺は、「生地買って、自分たちで縫うの?と聞くと、「はい!僕が縫います!家庭科、ずっと“5”なんです!」と照れながら言った。“え?今って、普通科の高校で家庭科の授業ってあるんだ~?俺の家庭科は小学校までで、中学では男子は<技術>という科目で、工芸を行っていたし、高校にいたっては、そんな科目もなかったなぁ~。”と思った。そんなことを考えたら、おもわず、「、凄いね!」と口にしていた。w


そこで、俺は店主に「学祭で衣装を作らないといけなくて、予算もあるから、3桁でこんな色でこんな生地はどの辺にある?」と聞いた。男子高生は少しびっくりしていたみたいだったので、俺が「まぁ、探して自分の思った感じじゃなかったら、生地のクオリティはだいぶ下がるけど、別の店、教えてあげる!」と言った。
店主はマダムに言って、売場に来てくれて店主と俺で「これじゃね?あれじゃね?」とか言いながら、いくつかの候補を通路に出して、男子高生に「どう?」と聞いた。そして、実際の1m単価を店主に言ってもらった。俺はびっくりしたまま、「マジですか!さっきより安く言ってもらってるけど、、、。」と言ってので、俺は「店主の気が変わらない内に選んじゃった方がいいよ。」と笑った。結局、2種の素材を選び購入して行った。


引き続き、マダムとの話が続きそうだったので、俺は店の裏で煙草を吸うために店を出るとまだ男子高生2名が降り出した雨を見ながら、軒先にいた。w
どうやら俺が立っていた場所に2台の自転車があり、彼らのモノだったらしい。少しすると小雨になり、男子高生2名が俺のいる方へやってきて、自転車を拭いて鍵に手をかけた時に、この店で生地を購入した方の男子高生が、俺に「あの~、白っぽい生地もたくさんありますか?」と聞いてきた。「白い生地はたくさんあると思うけど、白い生地って、感覚だしね、どうしたの?」と聞くと、すっと店外で待っていた方の男子高生が自分のスマホを俺に見せてきた。俺がスマホを見ると、さっきの子とは違うキャラの衣装の画像が目に入った。その衣装のストールみたいなものを探していたようだが、「この季節にドンキ行っても売ってないですよね?」と聞かれたので、「どうだろう。まだ暑いので、スカーフみたいものは売ってるかもしれないけどね。なんだったら、店で探してみる?」と聞くと、「いいんですか?」と。もう乗りかかってしまった船だしぃ!と男子高生2名と一緒に俺も店内に戻った。店主もびっくりだったみたいで、「どうしたんですか?」と聞かれたので、「今度は、3桁で白または生成りで張りのある生地、探すよ!」と言うと笑っていた。さっきの子より、“白い生地”の子の方が微妙な質感とか色合いにこだわりがあるようで、店内の端から端まで棚に入った反物の生地を探していった。そして、本人が「あ!」という感覚にズバリの生地を見つけた。生地の価格も大丈夫そうで、結局、二人ともに友人の店で生地を買った。するとマダム達が、“いい店なのよ!自分で作るなら、出来た衣装の写真を撮って店主に見せに来なさいよ!”と言っていた。俺は、“女子の友達や友達のお母さんが生地が必要になったら、この店を紹介しといて!”と伝えた。帰り際に、男子高生達は、“もう大丈夫だよ!”と言いたくなるくらい、何度もお辞儀をして「ありがとうございます!」を言っていた。何ともすがすがしく、可愛らしく、微笑ましかった。


マダム達も大量に生地を買って帰っていった。


そして最初の頃の店主と俺の二人になった。店主からは、「すみません!でも、ありがとうございます!」と言われ、「急にお客が増えてしまって。」と言われたので、「あ!俺、よくあるよ!接客もいける方なんで問題なし!」と言い、残った時間で無事に打ち合わせを終えた。
個人商店を営んだことはないが、もともと親が商店を営んでいたので、打ち合わせ以上にリアルに消費者の話が聞ける貴重な時間になった。この経験は、次の仕事に活かしていきたい!と思いました~。