cky355のブログ

日々、感じること・思うことを徒然に・・・。

<記憶の断片>細胞のフラッシュバック

足跡

最初は聞こえないくらい
今は確実にその音を増す
僕に近づく足音


歩幅は変わらず
一定のリズムを刻む
忍び寄るわけではなく
僕が近づいているのか
錯覚に陥っていく


追い抜かれそうになると
一瞬の静けさの後に
全身に生暖かい温度を感じ
足音が消えたことに気づく


そして分岐していた
もう一人の自分の記憶が
フラッシュバックを始める


足音があったこと
足跡があれば辿れることも
知っている
けれど辿る必要はない


フラッシュバックが終わると
また別の足音が僕の前を
進んでいく
永遠に繰り返される情報交換


妄想と現実の境界を消し去り
記憶の改ざんなのか
記憶違いなのか
そんなことも意味を持たない
止まらない僕の細胞活動



画像提供元:Pexels